3年前のFC東京戦、富樫敬真の華々しいデビューを忘れられない。
この試合の少し前、平日に休みが取れて、滅多に行けないファンサービスに出かけた小生は来る選手来る選手のサインをトリコロールのフラグに求めていた。
少し遅れて目鼻立ちがすごくはっきりした若い選手もサインペンを持ってやってきた。
富樫敬真であることはすぐに分かったが、その時選手の前に出していたフラグを引っ込めたなぁ。
なんで?と聞かれたら分からないが、とにかく反射的に。
当時ケイマンについて小生は殆ど情報を持っておらず、特別指定選手として登録されたことをホームページで見たくらい。
このお気に入り選手のサインでいっぱいのフラグに、正式契約するかどうかもわからない選手にサインをもらうかどうかをとっさに迷ったのかもしれない。
2015年ホームFC東京戦は、娘二人と小生の誘いで初めて日産スタジアムに来た知り合い君とでゴール裏で観戦。
FC東京とマリノスの試合は塩試合と他チームのサポーターから揶揄されることもしばしば。
初めての知り合い君に「今日はなかなか点数はいらないかもよ。」という小生の予測は的中。
お互いゴールは決まらず試合は動かず0-0のまま終盤へ。
「あー。決まらないものですねぇ。」
と、知り合い君が言ったた矢先、37番のユニフォームを着た選手が立っている。
伊藤翔に変えて富樫敬真?!
「えええええ?まじっすかぁあ??」小生は思わず声を出した。
「だれ、だれ?富樫って?!」子供たちが小生に聞いてくる。
「いや、特別指定選手で登録されたばっかりの。。今まで高校でも大学でも殆ど実績ないと思う。」
これは流石に冒険すぎる。
しかし、ピッチに入ると何度も動きなおし、ボールを呼び込むフレッシュなケイマンには好感が持てた。
そして試合終了間近。
両手を前に出しボールを欲しがるケイマンへの中村俊輔のアシストは絶妙だった。
ケイマンの前にポッカリ空いたスペースに俊輔が打ったボールをケイマンはジャストミート。
小生は再び「えええええ?まじっすかぁあ??」と思わず声を出した。
美しすぎるゴールにも驚いたが、決めた後の二丁拳銃のパフォーマンスも堂に入っていて驚いた。
均衡を破る大きな1点にゴール裏は歓喜した。
就任一年目のエリク・モンバエルツ監督は、この頃はなかなかの勝負師で前任の樋口監督では考えられない交代策をすることがあったが、その交代策が成功した試合の一つだった。
シンデレラボーイとして翌日の新聞を飾った富樫敬真を見ながら、「あー。サインもらっときゃ良かったかなー。」と猛省した。
今年、久しぶりに練習を見に行った帰り道、怪我をしてリハビリをしているケイマンとトリコロールワンの前でばったり出くわし
「がんばれ、ケイマン。」と声をかけると「ウィっす!」と返してくれた。
3年前のホームFC東京戦に初めて試合を見に来た知り合い君はその試合以降、たびたび小生の横で声を張り上げ応援するようになった。
一皮むけて帰って来い。
マリノスに復帰し小生がサインをもらいに行くその日まで。
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