2016年の冬、シーズン終了直前にブラジルに帰国してしまったファビオがマリノスに戻ってくることはなかった。
中澤裕二とゴールデンコンビを組んでいた栗原勇蔵の故障でチャンスを得たファビオの成長スピードには目を見張るものがあり、その頃にはマリノスでのセンターバックの地位を確立していた。
そんな中でファビオだけでなく、同年マリノスのレジェンドがマリノスを続々と去る中で、センターバックに2枠目の外国人選手を使うことに小生は若干の違和感は感じた。
2017年J1リーグの開幕戦で、飯倉と激突し1点を奪われたときは目を覆ったが、その後ミロシュはセンターバックでのクォリティを徐々に高め、地位を確立していった。
何より堂々としたプレイと常に前を向くモチベーションの高さが印象的だった。
様々な情報から彼がマリノスに来た目的をサポーターは理解していたに違いない。
出場機会増、オーストラリア代表としてワールドカップへの出場、そして。。
新井とパク・ジョンスが一度にマリノスを去った2018年、一気にディフェンスの層は薄くなったが、アンジェポステコグルーが監督に就任し、戦術が大きく変わり彼は水を得た魚になり、ディフェンスのみならず今年は前半戦だけで2ゴール。
しかし、目標であったワールドカップオーストラリア代表としてロシアに行った彼は、結局一度もピッチに立つことなく、チームも一勝もできずに終わった。
現時点、ポステコグルー監督の戦術理解度が高い彼の移籍はマリノスにとっては痛手かもしれない。
しかし、殆どのサポーターに覚悟はできていたに違いない。
いつも忘れそうになるが、彼はまだ24歳である。
ミロシュ・デゲネクは次の目標に向けて走り出す。
そして我らは後ろ髪を引かれながら彼の背中を押して送り出す。
4年後こそはオーストラリア代表としてワールドカップのピッチに立ち、マリノスの戦士たちと闘う姿を思い浮かべながら。
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