金井貢志、松本玲、渡邊千真なんかに囲まれたうちの坊主の写真が小生が当時使っていたブラックベリーの中に未だ残っている。
正確にいつだったかは覚えていない。
2010年だったとおもう。
当日はナイターの試合だったから、夏場だったんだろう。
うちの子が少年サッカーを始めて2年だったか丁度才能がさほどないことがわかり始めていたころで、他の子どもの父兄ほど熱心でもなかったので、この日のイベントにちゃんとしたカメラを持っていくという認識もなかった。
当時ブラックベリーは結構最先端だったかもだけど、今のiPhoneのカメラアプリほど解像度は良くないし、ましてやしんよこフットボールパークの夕日をバックに撮っているから逆光だし、なので指さして、「これが金井!」って言わないと誰も金井かどうかなんてわからない程度の写真である。
その頃小生はまだマリノスサポーターというには程遠く、でも今よりずっと日産スタジアムに近いところに住んでいたし、まずまず当日ホーム自由席が全くあいてないなんてこともなかったので、かみさんからちょっと子供連れてマリノスでも見てきてよ。と言われると、はいはい。とうちの坊主や娘をつれてバックスタンド2Fでのんびり観戦することがしばしばあった。
その日の朝もそんな感じで、
「今日マリノスの選手に教えてもらってそのまま試合も見れるのがあるから、子供連れて行ってきてくれる?あ、晩御飯食べてきてよね。」
「へえ、そんなのあるんだ。日産スタジアムのピッチでやってくれるの?」
「うちの子が、日産スタジアムのピッチでできるわけないでしょ? しんよこフットボールパークってのが横にあるから。親子連れが集まってるから小机から行ったらすぐわかるよ。」
区内で常に下位にいる地元の少年サッカーチームのユニフォームを着た坊主の手をひっぱって家をでる。
坊主は相変わらず、ボールを獲りに行くという行為が嫌なんじゃないかと思うほど消極的だったけれど、夕日をバックにGメンウォークでやってきたマリノスの選手たちとの紅白戦になるとがぜんボールを追いかけまわした。
強弱をつけたドリブルでワンオンワンで子供達と勝負する松本玲。
「おとなげないぞーーー!!」
子供の身長より高いところでヘッドリフティングをしながらゴールに向かう千真を追いかける怒鳴る坊主を見て、千真は子供の扱いが下手だなぁ。場が読めない。だから練習試合でバンバンゴールを決めても監督に使われないんじゃないか?
なんて勝手なことを思ったり。
そんな中でまだおぼこい感じだった金井は当時から、場を読む力はあったのかもしれない。
子供と接するのが楽しそうで、ケラケラ笑いながら、子供とボールを追いかけていたこと、このイベントをきっかけにほんのすこしだけマリノスサポーターに近づいたことを今でも鮮明に覚えている。
2013年に一旦マリノスを離れた彼は2016年に入って奈良輪と入れ替わるようにマリノスに戻ってきた。
サイドバックを右も左も対応できる金井は、何度もマリノスのピンチを救う。
彼はやはり場を読む力を生かし、チームが窮地となった時もムードメーカーとなり声を出しチームを盛り上げてきた。
今年に入ってからはセンターバックを器用にこなす、まさにユーティリティプレイヤーぶりを発揮しチームに貢献している。
金井の名古屋への移籍に伴いブラックベリーの写真から現役のマリノスの選手はいなくなる。
松本怜は大分に移籍後何年も大分の中心選手としてピッチに出続けているし、千真はFC東京を経て神戸でキャプテンをつとめた。
自分がマリノスのサポーターであることに変わりは無いが、金井が名古屋に移籍しても小生の中では気になる選手の一人として今後も彼の動向は追いかけていくだろう。
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