ダビド・バブンスキーのこと。

ゴール裏ど真ん中から、ボールがグニャリと弧を描きながら、レッズ西川の手の届かないその先に吸い込まれていくのをしっかりこの目で追っていた。
次の瞬間、どよめきと歓喜がゴール裏を包んだ。

「いける!マリノスはいける!」
停滞したシーズンオフを乗り越え、不安を感じながらそれでも自らを鼓舞するように挑んだ昨年の開幕で、中村俊輔が守りこだわり続けたポジションを任されたのは東欧からやってきたばかりの若い33番、その33番が強敵レッズ相手に先制ゴールを決めたのだから。

小生の2017J1リーグはこうして幕を開けた。
考えてみれば2017年シーズンJ1リーグの初ゴールがダビドバブンスキーのこのゴール。
今思えば、あの時のマリノスは、逆境から這い上がろうとするチーム内の競争意欲は今よりずっと強く激しくガツガツしていたが、決して強いと言えるチーム状況ではなかったと思う。
そんな中で開幕からの2試合でスタートダッシュをきれたことは、マリノスと言うクラブにとっても、サポーターにとってもちょっとした奇跡だったような気がするし、チャンスをものにしようとするバブンスキーの個人技によるワンダフルゴールがそのきっかけを演出してくれたように思う。

開幕からのの2連勝を機に一気に駆け上がっていくことができなかったのは、力が不足していた証拠だと思うし、しかし、彼ののっけからのパフォーマンスで火が付いた選手も少なくなかったのではないか。

その後6月に入り、バブンスキーはなかなかスタメン入りすることができなくなるが、それでも彼の2017年序盤の功績は小生にとってとても大きなもので、これからもチームを信じて応援できると確信できる活躍を小生は決して生涯忘れることはないだろう。

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