オグさんへの期待

いつのことだったか正確に覚えてない。とにかくまだまだ寒い時期だった。
偶然その日は仕事が休みで久しぶりにマリノスの練習を見学に来ていた。
汗を流す選手たちを背の高い白髪のオヤジさんが遠目でピッチを俯瞰するように見ている。
トレーニングウェアを着ているわけでもなく、カメラやメモも持っておらず、もちろん選手に声をかけるわけでもない。
静かにコートのポケットに手を突っ込んで、時に下を向いてなにかを考えるような仕草。

ファン、サポーターでは無いし、マスコミでも無いな。
ただ、サッカーの関係者であることは直感的に分かった。

練習終了後グランドから出てくる選手を見に出口付近まで歩いているとそのオヤジさんは丁度小生の目の前にいて、監督、コーチなどのスタッフと談笑するわけでもなく片付けを始めたりクールダウンをしている選手をやはり遠目で観ている。
はて、どこかで見たことあるような。
ほとんどの選手がいなくなった頃、オヤジさんはある選手に声をかけた。

「おい、メシ食いに行こう。俺も丁度行こうと思ってたんだ。」

小倉勉氏がマリノスのアシスタントスポーティングダイレクターに着任していたのを知ったのはそれからずいぶん経ってからだった。
この着任の事実をニュースではずいぶん流れなかったのか?自分が見逃していたのか?は定かではないが、とにかくWebの記事か何かでこの事実を発見し、あの時のオヤジさんは敗退を続ける中で飄々とインタビューに応えていたあの大宮アルディージャの監督だったのだとその時初めて気付いたのだった。

恥ずかしながら、小生は小倉勉氏があの大宮アルディージャの監督であったことくらいしかわからず、それも顔写真を見て顔と名前が一致したレベルで、日本代用のコーチの経歴・実績を全く知らなかった。
彼がマリノスの強化にどの程度の力量を発揮できるか?
そして、2019年のチーム編成の責任者としてどのような布陣を形成し結果を出せるのか?
小生ごときにわかるはずもない。
毎年マスメディアで各クラブのチーム編成から順位を予想するような特集が企画されてはいるが、ばっちり当てているサッカー評論家はさほどおらず、年末にはそのはずれ具合をネタにする番組まである始末なので、編成を形成する仕事の難しさはそれだけでも大変なものであることが想定されるし、ここに金銭やタイミングがかかわってくるとそんじょそこらの困難さではなかろう。

それでも期待をしてしまうのは、今年の戦績はお世辞にもほめられたものではないにも関わらず、少なくともすでに契約更改の面談を行った選手達は、明らかに一昨年・昨年のそれとは異なる、もしくはそれ以上にポジティブなコメントを発していると感じること。
そして、今年の選手の試合におけるリザルト・メジャーのみならず、ピッチ外でのロールやプロセスなどへの評価もされている様子であること。
このあたりについては、チームで闘うスポーツにおいては、過大評価であっても過小評価であってもマイナスとなる要素で、とても際どいアプローチが必要になり、そのアプローチの手法も選手により異なる。
ただ、現状は適度な状態でアプローチができているのではないだろうか。

「おい、メシ食いに行こう。俺も丁度行こうと思ってたんだ。」

日々の選手のコメントを読むたびにあの時のオグさんの声を何度も思い出した。

選手とのコミュニケーションは、良くなっているのではなかろうか。
スポーティングダイレクターとなったオグさんの2019年のチーム編成が成功することを心から期待したい。

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