2019J1リーグ第16節ホームvs松本戦観戦記【粘りのウノゼロ】
ほんの数年間までマリノスの選手やサポーターには「ウノゼロの美学」のようなものが間違いなくあった。
ゴールを割らせないのは当たり前で、こちらがゴールを奪えていなくても、精神的には余裕があった。
1点取れれば、ゴールを死守し、絶対割らせない。
先制されることなくとにかく一点取ることができれば、その後は死に物狂いでゴールを狙ってくる相手の攻撃をことごとく跳ね返す強靭なディフェンス陣にエールを送り続けジリジリとゆっくりと過ぎて行く時間を耐える。
このジリジリに快感を覚えていたものだ。
今節そんな闘い方をしてきたのはむしろ松本の方だった。
相変わらずボールのポゼッションはマリノスが圧倒的なのだけれど、5バックの3ボランチでしっかりとブロックを敷いてゴール前でスペースを与えない。
逆に数少ないチャンスをロングボールで作ってくる。
朴、畠中、チアゴは相変わらず冷静に対応してはいたもののヒヤリとするシーンも2つばかりあり、そこは相手の精度に助けられたが、もしあそこで決められていたら、この試合どう転んでいたかわからなかっただろう。
とにかくアタッキングサードで停滞する時間が長くボールの出し入れ、作り直す時間が長かったように思う。
今や1試合2ゴール以上が当たり前になりつつあるマリノスに慣れてきたせいか、今節はなかなか崩しきれず、ゴールを奪えない時間がジリジリと感じてしまうようになったようだ。
後半54分にマリノスは山田康太を大津に変える。
これは正解だと思った。
執拗にボールを追いかけ、前のめりに進もうとする大津のプレイは、天野と山田では足りなかった前への推進力を引き出した。
それでも、試合は動かぬまま時間は刻々と過ぎていく。
いけない、今節はどうしても勝ち点3が欲しい。
そう思った時、大津のスライディングパスがエジカルに渡ってのゴラッソ。
ついに5バック3ボランチの壁を破った。
一瞬のチャンスを逃さないエジカルのシュートはもちろん見事だが大津のアシストはさらに素晴らしかった。
「マリノスの大津」でなければ生まれなかったゴールだったろう。
その後は落ち着いて時間を進めそのまま笛がなる。
久しぶりにウノゼロを堪能しましたよ。
次はいよいよ味の素スタジアムで首位FC東京との対決。
連勝、いっときましょう!
雨のせいもあり、観客は決して多くはなかったけど、松本の応援は相変わらずリキが入っていました。あの人数であれだけの声が出るって素晴らしい。
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