【三好康児のこと】

【三好康児のこと】

1年にも満たない在籍期間の選手に送迎のブログを書くなんて思ってもみなかった。
ましてや、三好康児は川崎からのレンタル選手。
それでも彼のことは書いておきたい。

初めて彼のことを知ったのは、今から3年ほど前の等々力での闘い。
川崎フロンターレ在籍中の彼のプレーにある意味”魅せつけられた。”
小柄だが、独特のタイミングでドリブルを繰り出し成功させるセンスの高さに驚き、パスや飛び出しに鉄壁だったマリノスの守備陣が翻弄されるシーンが垣間見られ、ビジターゴール裏で応援する小生にとってはとっても嫌な存在ではあった。
若干20歳ほどの若い選手が、個の力が高い川崎のベテラン選手の中にしっかりフィットし個の力を発揮するんだもの。
試合を決定付けたかと思われた2点目も彼によるものだった。
「ガンナーズの窪田君(ジャイアントキリング)みたいだ。。」その時そう感じたのは風貌とプレーだけだったが、小生の中では三好と窪田君は重なって見え、そして凹んだ。
ダイヤの原石のような存在、川崎のユース昇格組にこれほどの選手がいたなんて。

それからしばらくの間、彼のことは忘れていた。
その後数か月、マリノスサポーターはそれどころではなかった人も多かったろう、小生も自分のクラブのことで気持ちはいっぱいいっぱい。
オフシーズンに入るとさらにその様相は激化、マリノスは面白おかしく記事を書くマスコミの餌食となり、サポーター仲間ともずいぶん会話し、愛するチームに対する不安と焦り・そして憤りがサポーターの中で渦巻いていた。
小生の次女がマリノスファンを抜けたのもこの時期だった。

時は過ぎ、昨年の春の厚別、コンサドーレで背番号41を背負う彼の姿を久しぶりに見つけた。
あれ?窪田君(じゃなくて三好なんだけど)? 
そうか、窪田君(じゃなくて三好なんだけど)はコンサドーレにレンタルされたのか。
この時、彼のコンサドーレへのレンタルを決してポジティブにとらえたわけではなかった。
確かに今の川崎の布陣では、窪田君(じゃなくて三好なんだけど)がスタメンで出るには厳しかろう、札幌で武者修行ってことか。
まだ、冬じゃないかってくらいの気温、屋根もなく、小雨が降り、レインコートを着ての応援。
平日であるがゆえに、流石に北海道まで遠征できるマリノスサポーターの数は限られていて身を寄せ合うように選手の後押しをしていた。
彼は、スタメン出場、前線ではっていたが、この日の試合で印象に残ったのは、彼ではなく、年々大きく進化を続けるチャナティップの方だった。

その後、徐々に彼の活躍を耳にするようになり、時たまDAZNで彼のプレーを見るようになった。
その独特のボールさばきに磨きがかかり、明らかに成長している。
このままいくといつか代表メンバーに選ばれるかもね。
そしたら、正真正銘の窪田君(じゃなくて三好なんだけど)だわ。

かたや昨年から始まったポステコグルーが提唱する新しいマリノスのパスサッカー。
コンセプトは素晴らしいけれど、この時代苦しくなった時にパスのスピードと精度に加えて個ではがし前につなげる力が必要になる。
そんな時、彼がマリノスのMFとして来てくれたらと思うようになったのはその頃からで、しかしそれにしても川崎だしなぁ。レンタルだってむつかしかろうなんて思っていた。

しかし、当時ほんの少し期待していたオグさん率いるマリノスの強化部はそれを実現してくれた。
ほんの7か月前彼のレンタル加入のニュースにまずは驚き、SDとなったオグさんの評価は小生の中でうなぎのぼり、小生は自宅で小躍りし大騒ぎした。
もう期待しかない!!

向かえた開幕戦、大阪、ポステコグルー2年目のチームはサポーターの期待を遥かに上回り躍動した。
そして2点目、当たり千金のシュートに小生は狂喜した。
身長は低く風貌は似ているけれど、不思議ちゃん的なタイプではなくインタビューにもしっかり応え、マリノスでの役割と自分の未来を見据えているあたり、ガンナーズの窪田君とは違ったね。
この時小生の中で窪田君は正真正銘の三好康児になった。

相手チームがマリノスのチーム戦術を研究する中、それを打開するうえで生まれたマルコスシステムにより、スタメンの座を失うことにはなったものの、三好は今のマリノスにとってスーパーサブ的存在で大事なピースだと思っている。
途中出場により、明らかにそれまでのチームの攻撃のリズムを変え、違いを作ることができるのだもの。

あいにくゴール前での決定力は、まだまだ成長過程。
波も激しい印象で、彼が今の布陣でスターティングメンバーではなくスーパーサブである理由は恐らくそこだ。
今の戦術を考えると、先取点をとることで優位に立てるからだろう。
川崎からレンタル、そしてマリノスに完全移籍って夢のような期待はあったけれど、海外志向の高い三好を束縛しなかったのは、昭和から平成にかけてサッカーコーチを歴任した浪花節のオグさんの選手への気持ちの表れなのかもしれない。
Hey!Hey!マリノスの三好君のパート、ガンナーズの窪田君だったら間違いなく噛でたよ。

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海外で決定力をつけ、日本代表として活躍し、日本に戻ってくるときこそ、是非ともマリノスに戻ってきてほしい。
三好康児には勇猛果敢なマリノスのユニフォームが一番似合っている。



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