【乃木坂まで歩いてみた】東京マリサポの休日ジョグ&ウォーク
この日自宅を出たときに決めた目的地は違った。
本当は六本木まで歩いてみるつもりだったのだが、結果的に乃木坂で意外と見るべきものが多くとっても満足してしまったのだ。
国立競技場を望みながら、聖徳記念館を越えて、青山霊園の中に迷い込みその中で迷子になった。
そもそも、青山霊園に来たのはこの日が初めてで、これほど大規模な霊園が東京にあるなんてと驚いた。
東京ミッドタウンタワーや六本木ヒルズが目の前にそびえるこの地に広大な都民のための墓地が広がる。
そんな中に、ポツポツと著名人の墓があるのだから、それがとっても不思議な光景だ。
大久保利通の墓地。
幕末の志士後藤象二郎の墓地もある。
そして、日露戦争の大将である乃木希典と奥さんの墓地が戦死した息子の墓石と一緒に一つの囲いの中にある。
二百三高地は金沢の第7連隊の予備将校と司令官である乃木希典大将のダブル主演、3時間以上の大作で、弟と二人で片田舎の映画館で初めて見た映画がだったが故、一度しか見ていないにもかかわらず、記憶に鮮明に残っている。
当時は、大ヒットしたものの新聞等で右翼映画と揶揄された映画だが、子供心にも決して右翼映画とは受け取れなかったし、ロシアという国を愛する将校が徐々に戦争による惨劇に巻き込まれていく悲哀を感じた。
その後中学生になって司馬遼太郎の名作「坂の上の雲」に出会い、乃木希典が決して優秀な大将ではないという認識が刻み込まれ今日に至るまで、乃木希典よりもアンジェ・ポステコグルーの方が圧倒的に優れたリーダーであると信じて疑わなかった。
はじめて来てみた旧乃木邸。
ちょっと想定とは異なり、明治のこの時代に質素ではあるもののモダンな外観の邸宅に少し驚く。
そして、乃木神社の立派なこと。
小職の中では、「坂の上の雲」の影響で乃木希典よりも東郷平八郎こそ日露戦争のヒーローだったわけだが、東郷神社よりも立派で乃木希典の人気が伺える。
Amazon Primeビデオで二百三高地が視聴してみた。
若い人がこの映画を見てどう思うかはわからないけれど、今見ても決して古臭さを感じることなく、この年になってこそ、乃木希典の苦悩が分かる部分も多分にあった。
二百三高地を見直した後、目をつむると、午前中に青山霊園で見た乃木家の墓を思い出した。
あの囲いの中、家族が向かい合う墓石達は、この戦争のない時代に日本の家族の一家団欒を楽しんでいるように見える。
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