【遠藤渓太のこと】
遠藤渓太のウニオン・ベルリンへの移籍のニュースが正式発表されたのが札幌戦前日。
生え抜きのトリコロールの戦士のブンデスリーガへの移籍とはとても誇らしい反面、かなり寂しい。
前節未だ進化し続けていることを強く感じていて、その成長の姿を今シーズンの間は肉眼で見ていたかった。
このタイミングでのチームとして渓太の離脱が痛手となることはクラブもわかっているだろうが、それでもこのようなチャンスに快く送り出すことが今のフロントの方針なのだろう。
そういうチャンスがあるからこそ、有望な若手選手はマリノスを選択するし、長期でクラブの戦略を考えた時にそれが有効であると本気で考えているに違いない。
何年もの間マリノスから海外移籍をする選手を見ることはなかったわけだが、コーチングスタッフのみならず、フロントまでクラブも変われば変わるものだ。
気になっているのは、ドイツに2度のチャレンジをして失敗した宇佐美貴史がどこかのメディアで話をしていたこと。
世界三大リーグの一つ、ブンデスリーガだったとしても、1部リーグの中で下位のチームは1部に残るためのサッカーをする。
「そんなもんですよ!」と少し吐き捨てるような口調で話す宇佐美の表情には悔しさがにじみ出ていた。
さほど海外サッカーを見ているわけではないが、今、ブンデスリーガはバイエルンが圧倒的な強さを誇り、ドルトムントが続く。
この2強の地位はなかなか揺るがない印象で、ライプツィヒが、この2強に追いつくべく斬新なアプローチで変革が進んでいる。
そんな実力差が大きいブンデスリーガの中でウニオン・ベルリンの成績はJ1リーグで言うと湘南、もしくは松本をイメージさせる。
過去は1部と2部を行ったり来たりしてきたクラブで、2018/19シーズンに1部に昇格し19/20シーズンは11位でフィニッシュしているが、戦績だけを見るとこれら上位チームとの実力差には開きがある。
宇佐美貴史の言っていたことをうのみにするつもりはないけれど、遠藤渓太の今回のチャレンジにリスクを感じないわけではない。
勿論、プロのサッカー選手は職種そのものがリスクのかたまりみたいなものだし全ては渓太の決断なのはわかっているけれど、この移籍が渓太にとって有意義なものになってほしいと心から願っている。
トリコロールの後継者として高校3年で一気にその実力を開花させ、トップチームに昇格。
エリク・モンバエルツは可能性を信じ結果が出ずとも使い続け、ポステコグルー監督に変わってからは厳しい競争の中でハングリー精神を身につけた。
ずっとずっと渓太を見てきたし、前節の横浜FC戦で渓太がサッカー選手として更に次のステップに移行しはじめていることを肌で感じたばかりだったけれど、あの時もう本当に大きなステップへのチャレンジが待っていたのだね。
くそー。。。寂いぞ。。
それでも、トリコロールの翼、世界で羽ばたけ。
そして更に大きな進化をして来い。
渓太が試合で使い続けられればブンデスリーガは日本でもスカパー!で見ることができるもの。
これからもヨーロッパでの活躍を追いかけていくよ。
そしていつか日本に帰ってくるならば、その時はマリノスに帰ってきてくれるであると信じている。
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