【仙頭啓矢のこと】

【仙頭啓矢のこと】

大学在学中京都で暮らしていたうちの長女から「強奪されたー。」と言われたのを覚えている。
彼女の周りにはサンガサポーターも少なくなく、本人もたまに西京極にも足を運んでいたらしく、彼女自身仙頭のプレイに魅了された一人だった。

「いい選手やでぇ。今まで強奪されてたクラブが優勝するなり強奪するんてひどいやん。」
はんば冗談、はんば嫉妬のような言い回しに苦笑したが、そんな娘のコミットメントに期待をせずにはいられなかった。
しかし、J2で活躍したとしてもJ1で通用するかどうかは別の話。
カテゴリーの違いはそれほどまでに大きく、J2の試合の中で目立つ存在であったとしてもJ1の試合ではなかなか目立たないなんてことは往々にしてある。
恐らく、武者修行中の山田康太や吉尾海夏、生駒仁などは今そのギリギリのところにいる。
昨年の新体制発表会でJ2クラブからステップアップを目指してマリノスに加入した選手は前、杉本、山本、そして仙頭の4人だった。
前年圧倒的な強さで優勝したマリノスへの加入に意気揚々とマリノスでの活躍を心に誓った筈だ。
特異な戦術やスピードのマリノスのサッカーをしかも、コロナ禍の影響によるスケジュールも相まって彼らにとってはとても難しいシーズンだったに違いないが、この4人の中で公式戦に絡むことができたのは結局仙頭一人だった。

ある意味、今のマリノスで生き残る闘いはそれほどまでに厳しいということの証だろうし、そんな中でチャンスを手にした仙頭は、やはりそれだけの力を持っていたと言うことだろう。

小生は仙頭がマリノスイレブンの中で闘う姿をリアルで見ることができたが、やはりJ1で闘うだけの力はあるし、センスもあると確かに感じた。
とりわけキックのセンス、正確性は素晴らしい。
ただスタメンを奪うにはあの場では結果が足りなかったことも恐らく事実だ。

その後、京都にレンタル移籍となった後の仙頭は水を得た魚の様。
あっという間にスタメンに名を連ね中位を彷徨うサンガの順位を押し上げていった。
エジガル同様J2では圧倒的な力の持ち主であることは間違いない。

仙頭は今年鳥栖に完全移籍する。
なんの根拠も無いけれど、恐らく仙頭は鳥栖で今度こそスタメンの座を手に入れ今年のJ1リーグでマリノスと対峙するに違いない。
朴と仙頭、そして絶対残留おじさんがいる鳥栖と闘うのはちょっと骨が折れるかもしれない。

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