【電子レンジになった哲也のGKユニ、そして旅立つ娘へ】

【電子レンジになった哲也のGKユニ、そして旅立つ娘へ】

今年社会人になるうちの娘が旅立つ日がやってきた。
最も青春を謳歌したいタイミングである大学4年生の1年、コロナの影響で大好きな音楽を思う存分楽しんだというわけにはいかなかったが、それでもアイディアを積み重ねて相応に楽しんでいたようだ。

次女をマリノスの世界に引きずり込んだのはちょうど10年ほど前だったのか。
単身赴任していた小生を追いかけて、中学に入学するタイミングで横浜に引っ越してきた次女は、かみさんが日産スタジアムの売店で購入した中村俊輔のユニフォームTシャツを持って、よくもまあ小生のホーム試合観戦に何度も付き合ってくれたものだ。
スタジアムでは25番のユニフォームTシャツを着ていたが、彼女を魅了したのは、榎本哲也の華麗なるセービングだった。
哲也が横っ飛びでシュートをはじくたびに黄色い歓声を上げて喜び、ゴールを割られると自分のことのように悔しがった。

みなとみらいのマリノスタウンでのファン感謝デー、ボレーの虎のテレビ収録で、小倉のシュートを哲也のセーブを目の前で見たタイミングが恐らく彼女の中でのマリノスの思いでの絶頂期だったという。
寂しいかな、マリノスが好きというより榎本哲也が好きとなるとマリノスとの別れもやって来るもので哲也が浦和に移籍したタイミングで、次女はスタジアムに行くことをきっぱり止めた。
あの頃のごたごたの中でマリノスファミリーから去った一人でもあったのだ。
その後、俊輔の25番のユニTと、哲也の1番のGKユニは彼女の箪笥の引き出しの奥で眠りにつく。

この2週間ほどの間、部屋にずいぶんたまった荷物を整理し、就職先の会社が準備してくれた社宅に持っていく荷物、捨てるもの、そして新居用に新たに先行で購入した家電製品で彼女の部屋はごった返し、ようやく週末に落ち着きを取り戻したあたりで、声をかけた。

「俊輔のユニTと哲也のGKユニはどうしたの?」
「GKユニは、電子レンジになった!」
「えっ?!!」

どうやらかみさんのアイディアではあるらしいが、学生時代に購入し使わなくなったお宝は大学の友達が、オークションで売りさばいてくれたらしく、その中で小生が、かみさんにボコられながら娘に購入した哲也のユニフォームは結構高値がついたらしい。

未だ、マリノスを愛してやまない小生にとって娘の行動はあまりにドラスティックでショックでしかなかったが、もはや彼女にとって興味のないマリノスグッズを高値で引き取ってもらえたのであれば、そのユニフォームにとっては幸せなのかもしれないしその金で電子レンジを購入し、これからも彼女の新生活に役に立つのだから、まあ無駄ではなかったのかな。と思うようにした。

中学から大学までエスカレーターで学生生活を送ってきた彼女にとって、これから少しは厳しい社会を経験し成長していくことになるのだろう。
次女が我が家から出ていくことはとても寂しいけれど、時には我が家を思い出し、そして機会があればまたスタジアムに戻ってきてくれればと淡い期待を寄せている。
小生自身は、社会人として仕事で苦しい時辛い時にマリノスのスタジアム観戦でストレスを発散し、勇気と感動をもらうことで、ずいぶん助けられてきた。
子供達だってもしかすると、いつかスタジアムに戻ってきてくれるかもしれない。
だって、哲也だってマリノスに戻ってきたのだから。
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そう思いながら旅立つ次女の背中を見送った。

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