かくいう小生、30年以上の喫煙者で銘柄もマイルドセブンライトの時代からずっとメビウスライトを吸っている愛煙家。
海外出張で煙草を切らしたとき以外は銘柄さえ変えたことはない。
仕事柄ということもあるのかストレス、イライラが溜まると煙草が欲しくなる。
マリノスと出会い日頃のストレスをゴール裏で吹き飛ばすようになったものの、試合に負けたりなんかすると、結局煙草が欲しくなる。
やめようと思ったこともあるが禁煙が続いた試しはないし、銘柄を変えることさえできなかった。
ただ昨今愛煙家にとって極めて厳しい環境になりつつあるのも事実で、公共の喫煙所はどんどん減っているし、ホテルも完全禁煙のホテルが増えて喫煙可能な部屋を取るのも難しくなって来た。
スタジアムも紙巻煙草の喫煙所は減少の一方と喫煙者には厳しい時代。
昔はコンコースのあちこちに喫煙所があった日産スタジアムも西ゲート下の一箇所となっている。
そんな日産スタジアムの唯一の紙巻き煙草の喫煙所で試合前の一服中に、iQOSの販売員のおじさんに声をかけられた。
タールが入って来ないので紙巻煙草よりも害は少ないとか、口から吐くのは水蒸気なので受動喫煙の影響がないとか、色々な話をしてくれるものの小生には全然入って来ないし刺さらない。
なんせ30年間禁煙さえできない鉄板筋金入りのの喫煙者である。
それでもおじさんが持っている最新のiQOSのケースにだけは目がいった。
GTRのWANGAN BLUEに近しい綺麗な艶のある青である。
美しい。
まさにマリノスのサポーターが最も好きな色合い、いわゆるマリノスブルーである。
一本吸ってみませんか?と言われてマリノスブルーのホルダーを手に取る。
メビウスライトに近い味とMalboloとHEATSのいずれも試してみたがどこが近いんだか、全く味は違うし、さほど美味しいとも思わない。
首を傾げる小生に「とにかく5日くらい試してみてください。紙巻煙草に戻れなくなりますから。」とおじさん。
かれこれ20分小生を接客しているおじさんには熱気を越えたものを感じるがその言葉は小生には依然入って来ない。
それでも観戦チケット2枚分もするこの高価な喫煙具を買おうか否かに迷っているのは毎日この綺麗なマリノスブルーのケースを持ち歩く自分へのほんの少しの誇りと大きな見栄への葛藤に他ならない。
昨年ポイントで交換し使わずにストックとなっているエンブレムの蒔絵ステッカー、このケースに貼ったらさぞや映えるだろうな。
そう思うとこの喫煙具が無性にほしくなる。
今更過ぎるが思い起こせば二十歳くらいで煙草をはじめたのも、外国映画のスターがZIPPOのライターで煙草に火をつけるのが格好良くて自分も真似をしたいと、そんな見栄から始めたことを思い出した。
メーカーの思惑に完全にハマっていることは自覚してはいる。
きっと、カシマサッカースタジアムや埼玉スタジアム2002では映える赤のケースでデモンストレーションしてるのだろう。
それでも、この日iQOSに切り替えるチャレンジをすることを決めた。
マリノスサポーターにとって、このつやのある青は、色そのものが宝石だ。
家に帰って蒔絵ステッカーを貼ってみた。
いや、美しい。
5日使ってみてこれに慣れると、本当にマイルドセブンライトが吸えなくなるなんて信じちゃいないけれど、これを機会に紙煙草をやめる努力をしてみようと心に決めた。
あれから1週間、紙巻きたばこに戻ることなくiQOSを使っている。
iQOSがメビウスライトほど美味しいとは未だ思わないし、いつまで続くかわからないが、どうしても戻りたいという葛藤は起きずなんとなく続きそうな予感がしてきた。
恐るべし、マリノスブルー。
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