【山形4ゴールの快挙・クラモフスキーの躍進】武者修行中のトリコロール
ピーター・クラモフスキー監督に変わったモンテディオ山形は、監督交代後6勝1分という好成績。
シーズン中の監督交代、就任したほうは実際のところかなりむつかしい。(恐らくマリノスもそうなんだろうけれど)
それまでのチームの戦術を突然大きく変えることで選手が混乱したり、クラブへのリスペクトをなくしてしまったりなんて話はあるあるだ。
昨年、清水で戦術から落とし込もうとしたものの、志半ばでチームを去ったピーター・クラモフスキーは監督初年度クラブから期待された成果をあげれなかったわけで、J2で優勝を目指すはずだった山形を立て直すという難しいオファーを受けいったいどのような指揮を執るのか、正直小生はワクワクよりも心配の方が圧倒的に大きかった。
蓋を開けてみると、最初の数試合は選手のポジションを大きく変えることもなく、清水で志向したようなアタッキングフットボールをするでもない。
山形のサッカーはその大枠は変わらないまま、ただそれでも今までのサッカーで勝ち点を積み上げはじめる。
これには半分驚き、半分拍子抜けをした。
ただ、徐々にピッチ上のプレイに変化が生じているように感じるようにはなっていた。
そして気が付けば、クラモフスキーが志向するサッカーに移行してきている。
クラモフスキー監督が就任後すぐの3試合と直近の3試合を見比べるとピッチ上で展開されている山形のサッカーはかなり違うものであることが分かるのではないか。
第20節ホーム金沢戦、クラモフスキー監督の志向するサッカーがチームに定着してきていることを強く感じるゲームだった。
フォワードとして定着した山田康が、トランジションのスィッチをドライブし攻守の切り替えが各段に早くなり、サイドバックが内側・外側と臨機応変に動くことにより攻撃のバリエーションが各段に増える。
更にパスワークの精度があがり、ボールはとられにくくなり、全員守備により相手の攻撃を抑えきる。
4-1の快勝。
試合開始直後の山田康太のスーパーシュートはあったものの、決定力が課題だった山形としては快心のゲームだったに違いない。
思えば、監督交代直後に、愛媛・相模原という下位チームとの対戦が続き、その間は選手のメンタリティ改善にフォーカスしていたのではないか。
山田康太が主力選手として定着していたこともクラモフスキー監督にとってはポジティブな要素だったに違いない。
J2リーグもちょうど折り返し。
監督交代後勝点19を積み上げ、未だ首位との勝点差は11あるものの、J2リーグでこの時期でこのくらいの差なんてまだまだ分からない。
山形でのクラモフスキーのサッカーはこれからが正念場となる。
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