【遠回りなんだか、近道なんだか、彗悟とにかくお帰りなさい】
ほんの数年前の話なのだが、トップチームの試合がない日に、ユースの試合を見に行くのがとっても楽しかった時代がずいぶん懐かしい。
マリノスのトップチームがアタッキングフットボールを志向を始めた2018年、前年プリンスリーグに降格したマリノスユースを引っ張ってくれたメンバーの一人が 榊原彗悟だった。
ユースもトップチームと同じスタイルのアタッキングフットボールを志向することで明らかに他チームとの違いが生まれ、生き返っていった。
この独特で難易度のあるスタイルを高校生がやると、確かにその他のチームと遥かに違いが出ることを強く実感した。
プリンスリーグとは言え、毎試合格の違いを見せつけ圧倒するユースの試合展開はマリノスサポーターとしてとっても気分が良い。
そんなユースの試合で常に、トップ下に君臨し、華麗なパス捌きでチームの中心に彗悟はいた。
細い身体におぼこい顔ではあったが、サッカーIQは高く、確かにアタッキングフットボールを理解している。
そのセンスは半端ない。
同級生の椿直起や、2年生の松田詠太郎、ブラウンノアとの連携も確かなものでこんな高校生がマリノスユースにいるというだけで心が弾む。
このチームの実力が、他のユースより優れていたことは、8年ぶりのユースカップ優勝で証明されたし、プレミアリーグの入替戦で涙をのんだものの、この試合ループシュートで先制したのも榊原彗悟。
翌年彗悟は椿直起と共にトップチームに昇格するものと思っていたが、トップチーム昇格に彗悟の名前は無かった。
彗悟ほどの選手がトップチームに昇格できないものなのか。。
恐らく当時のフロントの判断は間違ってはいなかったに違いない。
我々素人では確認することのできない判断が確実にあったのだろうし、もしマリノスのフロントの目が節穴であれば、他のクラブからのオファーだったに違いないし、恐らくあの頃の彗悟にはプロとしての何かが足りなかったのだと思うと同時にプロへの道の厳しさを改めて思い知らされた。
そんな彗悟が、今年からマリノスファミリーとして戻ってくる。
来年も、青森でのプレーとはなるものの、マリノス所有の選手となる。
この世代、マリノスファミリーであっても武者修行に出ている選手は数多く、彗悟が歩んだこの3年は遠回りしたとも言い難く、むしろ近道だったかもしれない。
いやなに、天野純だってマリノスに戻ってきたのは22歳、そこから下積みだってあったわけでミッドフィルダーの選手生命はまだまだこれからだ。
来年は青森の試合とか観に行ってみたいとも思うし、きっときっといつかトップチームで活躍する日が来るんだろうなぁと期待してしまう。
<ユース時代の詠太郎・彗悟・椿直起>
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