岐阜vs鹿児島戦で感じた繋ぐことの難しさ【武者修行中のトリコロール】

【2022J3リーグ第12節岐阜vs鹿児島戦観戦記 by DAZN】

鹿児島ユナイテッドFCが好調だ。
1年でJ2復帰が使命となる松本山雅を背中に11試合を終了して8勝2分1敗で1位、失点僅かに7といわきFCとタイの1位。
試合は時間に余裕がある時にDAZNで見るくらいだけれど、いやーJ3の中では安定して強いっすね。
レベルはともかく鹿児島が志向する近代サッカー、チーム全体の共有が進んでいる感じがしていた。

この鹿児島UFCのゴールマウスを守るのがマリノスからレンタル中の白坂楓馬だ。
キーパーというポジションの中では身長は決して高い方ではないけれど、シュートへの反応も確かだし、なんと言っても脚元が安定していてフィードも性格。攻撃の起点として今やチームになくてはならないなくてはならない存在。
気がつけば今年はスタメンに定着している。

コンセプトはマリノスのサッカーに似てるかなぁと思って見てはいたけれど、思い起こせば昨年はアーサーパパス監督でシーズンをスタートしたのだった。

聞けば、アーサーパパスの自陣から繋ぐサッカーを始めた頃は自陣でボールを奪われスタンドが
悲鳴をあげるというシーンが散見されたらしい。
アーサーパパスは家庭の事情でオーストラリアに帰り、監督は変わってしまったけれど、そもそも攻撃的なサッカースタイルを志向するチーム、昨年からの積み上げが開花しはじめているんじゃないかと推測していた。
後方からの繋ぎのスキルが向上すれば、カテゴリーが低いほど守備が安定し上位が狙いやすくなるのはマリノスユースを見てきてなんとなくわかる。

そんな鹿児島が、今節岐阜と対戦したわけだが、奇しくも2-1で敗退。
そういや、このチームには宇賀神や柏木がいたんだよなぁ。
岐阜の試合を見ることなんてなかなかなかったけれど流石はレッズで闘ってきた選手、宇賀神のプレーはJ3では頭一つ抜きんでていて、このメンバーの中では圧倒的に怖さがある。

岐阜の前からのプレスとクレバーなポジショニング、そしてアウェイでのサポーターの迫力もあっただろうか、鹿児島は徐々に自陣に押し込まれ、相手陣地に入ってもボールをつなげない時間が続く。

とりわけ後半、気が付けば白坂からのフィードは縦ポンの一辺倒となり、鹿児島の攻撃でつなぐプレイが影をひそめる。
「危ないなぁ、セカンドが奪えなかったら又、押し込まれる。」
思った矢先、相手先制点はそんなフィードが起点となった。

鹿児島の完敗だった。
数字では2-1の一点差ではあるものの、鹿児島の攻撃が岐阜の守備陣にインパクトを与えることはほとんどなかった。

今節、もしかすると鹿児島のサッカーはピッチ上で、そのコンセプトにブレが出てしまったのではないだろうか。
DAZNを眺めながらそんなことを妄想した。

思えば、清水エスパルスが今下位をうろうろしているのは、ピーター・クラモフスキーが志向するパスサッカーをベースにリフレイムすることを途中であきらめたことに端を発していると思っている。
変わること、極めることへのチャレンジはサッカークラブ、とりわけJリーグでは優しいことではないけれど、ここで自分たちのスタイルが崩れることになったなら鹿児島のJ2復帰は遠のくことになるだろう。

白坂楓馬、次の試合こそが正念場だ。

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