<簡単じゃないけれど>
今節からのホーム3連戦で、マリノスが2試合勝利すれば優勝できる。
2位との勝点が8差、周りからするとかなり可能性が高い状況ではあるけれど、多くのサポーターは2013年のあのショックを忘れてはいない。
33節の新潟戦はホーム最終節、6万人を超えるとてつもない雰囲気で、当時2階バックスタンドが定位置だった小生は試合開始までに座席にたどり着けるかにハラハラし今まで経験し独特の雰囲気を満喫し、スタンドの4分の3で波打つビッグウェーブに参加し、そして0-1で敗れた。
危ないとは思っていた続く川崎戦、スカパーの向こうでうずくまって泣き崩れる白いユニフォームを呆然と眺める自分は思考停止していた。
だからこそ、1戦必勝なのだ。
目の前にフォーカスするというマスカット監督のコメントはインタビュアにとって面白くはないかもだけど、小生にはいつも熱く響いている。
仕事場でも周りはにわかに騒がしく、もはや週末マリノスが優勝するかのような口調で小生にアプローチしてくる。
「川崎だってそんな簡単に負けるわけがないし、ガンバだってそんなに簡単に勝たせてくれない。当たり前じゃん!」という話をいったい何人にしただろう。
こんな大事な試合で声出し応援ができないのはとってももどかしいけれど、手がパンパンに腫れたって、後押しするさ。
日産スタジアムのピッチはいつも以上にマスコミが多くカメラマンもマリノスのゴールの撮影を狙ってスタンバイしている。
試合の鍵は先制できるか否か。
先制出来れば試合は優位に進めることが出来ただろう。
マリノスは試合開始からボールを保持し一気に敵陣に傾れ込む。
相手のボールを持たれたとしても、あっという間に奪え返し攻撃に移る。
ただしフィニッシュの精度が若干低く、相手のディフェンスの精度が高い。
そんな中で先に失点したのはマリノスだった。
相手ゴール前はラッシュアワーの東横線のようだ。
崩し切るのが極めて難しい中で更に相手は東口が冴えている。
神経は研ぎ澄まされ勘を外さない、それでいてプレーを切り、緩慢に動く姿は各駅停車のよう。
相手の決定機はフルタイムで4度ばかりではなかろうか。
終わってみれば2-0の完敗。
想定通り、先制されたのは痛かった。
恐らくスタッツを見ただけならば到底このスコアは想像できないだろうが、シーズン終盤の試合ではこういうゲームが普通にある。
降格圏から脱出し歓喜を上げるガンバサポーターを遠めに観ながらそれでも選手たちが消えるまで手拍子は鳴り止まない。
簡単じゃない。
次節もきっと簡単じゃない。
けれど、こういう試合に勝つことで初めて最高な景色が観れるのだ。
サポーターはそれを信じて後押しをするのみである。
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