＜そんなに甘くない。＞
松原健が2点目を決めた瞬間、このゲームマジで勝てるんじゃないかという錯覚は確かにあった。
あのマンチェスターシティ相手に前半30分で2-0なのだもの。
マリノスの先発は松原以外は前節セルティック戦と同じ布陣のベストメンバー。
かたやシティは主力と言われるハーランド、フォーデン、ロドリなどがベンチスタート。
グアルディオラ監督がマリノスを舐めてかかったわけではなかっただろうが、このメンバーで前半様子を見るということだったのだろうが、世界ナンバーワンのクラブ相手に先制2点を取ったとなるとこれはさすがに期待は膨らんでしまう。
地力は明らかに相手チームの方が上だけど、チーム戦術の落とし込みと阿吽の呼吸でマリノスがそれをしのぐ形が確かに見えた。
ただ、2-0は危険なスコアと言う言葉を思い出すまでもなく、前半のうちに2点を返されてしまう。
相手2点目は流石にもったいなかったが、これも今のマリノスの実力だ。
後半、シティは本気になる。
主力が一気に投入され、チームのギアが確実に上がった。
マリノスがボールを保持する時間は明らかに減少し、押し込まれながら必死で守る時間が増えていく。
フォーデンのプレイは確かに4年前に日産スタジアムで観たはずだが、この4年で一気に逞しくなり、ハーランドは化け物と化した。
相手3点目はノーチャンス。
あの振りの速さは今節守備陣にとって初めての経験で学習だったに違いない。
5-3の完敗。
サッカーの世界、流石にそんなに甘くない。
それでも世界のシティ相手に3点を奪ったんだもの。
マリノスは4年前より確かに進化をしているし、ほんの少しだがシティに近づいている。
真夏の国立競技場、祭りは終わった。
少しの希望を胸に今年を一気に駆け抜けよう。
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