【南拓都のこと】
2021年シーズン、横浜F・マリノスが興国高校から一気に4人も獲得したことについて、興国の内野智章監督がその経緯を話していたのをテレビで見た覚えがある。
なるほど関西の高校の監督らしく、裏話を面白おかしく話していたのを覚えているが、要するに興国高校が目指すスタイルや指導方法とポステコグルー監督の志向が一致した結果だったということなのだろうとは思った。
ただ、3年経過して、樺山は鳥栖に完全移籍し、残りの3人がレンタル先で武者修行をしているという現実を見たとき、プロの世界の厳しさを感じると言わざるを得ない。
平井駿助がトライアウトに参加していたニュースが流れた翌日、南拓都の契約満了が発表された。
マリノスに加入した年、ルヴァンカップでようやくつかんだチャンスを怪我による途中交代という不本意な結果に涙を流しながらピッチを出ていく南拓都をスカパーで観ながら拍手を送ったのが懐かしい。
いわてグルージャに武者修行に出てからも、拓都の活躍を追い続けており、彼が出場する試合に駆けつけたこともあった。
スタメン定着とは言えないまでも与えられたチャンスをモノにすべく必死に食らいつく闘志は印象的だったし、左サイドを突っ切るプレーも好きだった。
J2町田で無双した吉尾海夏でさえなかなかスタメンに定着できないことを考えると、いまやJ1リーグでも上位で闘うF・マリノスに入団しても、マリノスで闘い続けることができる可能性は中位に定着していた頃より圧倒的に難しくなっている気はするが、いったい興国からきた4人の選手たちのうち、何人が再びトリコロールのユニフォームに袖を通すことができるのだろうか。
それでも恐らく拓都はサッカーを続けながら再びトリコロールを目指してくれると思っている。
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